久米寺に咲く3,500株のよひら

橿原市久米町にある久米寺。

花の名所として知られるお寺でもあり、6月から7月にかけて境内を3,500株もの紫陽花が華を添えます。

久米寺の紫陽花と十三重石塔

紫陽花と七重石塔

鄙びた感じの七重石塔をバックに紫陽花を撮影してみました。

紫陽花のイメージの強い久米寺ですが、春の梅や雪柳も見ものです。5月3日には練供養が執り行われますが、その頃にはツツジの花も満開となります。

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「よひら」という名前を持つ紫陽花

紫陽花はユキノシタ科の落葉灌木に分類されます。

日本の海岸に自生するガクアジサイから改良された歴史を持つ紫陽花。一口に紫陽花と言っても、その種類は実に多様です。

久米寺の紫陽花

あじさいの向こうに久米寺本堂を望みます。

紫陽花には花弁が4つあることから、四片(よひら)という呼び名もあります。

あぢさゐの花のよひらに漏る月を

日本情緒の感じられる文章ですよね。木漏れ日ならぬ、月の光が紫陽花の花弁を通して感じられる情景でしょうか。

四葉のクローバーはその希少性から尊ばれます。花と葉ではまた違うのかもしれませんが、花びらにも5枚のものが多いと思われます。五弁花の代表格は桜でしょうか。四弁花の紫陽花には、ただそれだけで何か独特の情趣が感じられます。

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橿原神宮前駅から久米寺へ徒歩でアクセス

久米寺は橿原神宮前駅から徒歩5分ほどの場所にあります。

駐車場も完備されており車でアクセスしてもよかったのですが、今回は公共交通機関と足で久米寺へ向かいました。

イワミン

近鉄橿原神宮前駅を降り立ち、一路久米寺を目指します。

その途中に、橿原考古学研究所のマスコットキャラクター・イワミンの立看板に出会いました。

どうやらイワミンは、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館の場所を案内しているようです。「博物館まで北へ600m」と出ています。石見遺跡から発掘された人物埴輪がイワミンのモデルになっているとのことです。橿原神宮前駅の駅前通りにも埴輪饅頭のお店があったり、店頭に埴輪を並べたショップもあったりと、埴輪を意識した街づくりが進められているようです。

橿原神宮前駅の踏切

橿原神宮前駅の踏切近くに見慣れない列車が停まっていました。

貨物を載せて走る列車なのでしょうか。

鉄道ファンであれば、すぐにでも分かる車体なのでしょうが、鉄道にあまり興味の無い私には皆目見当がつきません(笑)

そうこうする内に、京都仁和寺の別院とも称される久米寺へと辿り着きます。

境内には紫陽花が咲き誇り、雨の匂いの残る境内に彩りを添えていました。

品種の多いことで知られる紫陽花ですが、同じ紫陽花でも時の流れと共に花の色が移ろいます。花言葉の「移り気」は、花色の変わる紫陽花の特徴に由来しています。

久米寺は聖徳太子の弟に当たる来目皇子(くめのおうじ)が建立したお寺としても知られます。

久米仙人像と紫陽花

久米仙人像と紫陽花。

久米寺には久米仙人も住んでいたと伝えられます。

久米仙人といえば、飛行術を体得し、中風などの病を除こうとした人物です。

久米寺に百数十年も住んでいたそうです。

久米寺の宝篋印塔

久米寺観音堂の脇に建つ宝篋印塔。

生駒の円福寺で見た宝篋印塔(ほうきょういんとう)が印象に残っていますが、久米寺のそれもなかなか立派ですね。

久米寺の本堂外陣にはナマズの奉納絵馬も掲げられており、鯰にまつわる噂話もあちこちで聞かれます。様々なエピソードで彩られる久米寺は、橿原神宮参拝のついでに立ち寄るには絶好の位置取りです。

奈良の紫陽花の名所は矢田寺だけではありません。久米寺や長谷寺なども、紫陽花観賞にはおすすめのお寺です。

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