国道24号と県道36号天理王寺線の交わる辺り。
天理市庵治町(おうじちょう)にも伊勢降神社が鎮座しています。すぐ南東方向に同名の伊勢降神社があり、対を成す神社として注目されます。田原本町の伊勢降神社が男神で、天理市の伊勢降神社は女神の位置づけのようです。
天理市庵治町の伊勢降神社本殿。
男神が女神の元へ通うと伝わります。
国道24号から西へ、県道36号に入るとすぐ左手に社叢が見えてきます。神社の入口ですが、県道沿いにはありません。実際には県道より一本南側の細い道を西へ入ります。
伊勢降神社の主祭神は「豊日姫命」
田原本町の伊勢降神社には、大名持命と豊受姫命が祀られていました。
一方、こちらの伊勢降神社には豊日姫命(とよひひめのみこと)が祀られています。石上神宮の北に豊日神社がありますが、何某か関係があるのでしょうか。豊日別(とよひわけ)と猿田彦の関連も気になるところです。
配祀される境内社。
本殿の両脇には猿田彦をはじめ、住吉、春日、多賀、道祖神が並びます。
南方から伊勢降神社に回り込みます。
行く手右側に石燈籠が見えていますね。
伊勢降神社の石鳥居。
田原本町八田のイセフリは神明鳥居でしたが、こちらはオーソドックスな明神鳥居のようです。
天理市庵治町鎮座の伊勢降神社拝殿。
狛犬が両サイドに陣取っていました。
田原本町八田に鎮座する伊勢降神社社叢。
庵治町交差点付近のコンビニ駐車場から撮影しました。お互いの神社の距離ですが、300mほどでしょうか。そんなに離れていませんので、セットで見学されることをおすすめします。
庵治町の伊勢降神社の手水石。
何か文字が刻まれていますね。少々読みづらいですが、「西庵治村」でしょう。
瑞垣に囲まれた本殿。
一段高い場所に祀られ、神明鳥居が建っています。
朱の映える本殿です。
懸魚(げぎょ)や蟇股(かえるまた)も施され、デザイン性にも優れます。
本殿左側の境内社。
本殿側を向いています。
本殿右側の境内社。
本殿と同じ方を向いていました。小さな社殿の間に、単体で石のみが祀られていますね。磐座と言うには小ぶりで、何かの依代かもしれません。
国道と県道の交差点に掲げられた「庵治町」の案内。
ここは天理市と田原本町の境目です。
居並ぶ境内社にアクセントを加える神石。
本殿に掛かる鈴。
拝殿にも鈴緒があり、揺らすことで神様をお呼びします。こうして本殿に鈴が掛かっているのも珍しいですよね。地元氏子のご愛敬、お飾りでしょうか。
蟇股の股の下には動物が居ます。
木鼻には牙を生やした象が施されていました。
名前に惹かれてお参りした東西の伊勢降神社。さすがは奈良県、まだまだ奥が深いですね。