大和肉鶏の如意巻きを作ってみました(2012年度の過去記事)。
奈良の寺社にまつわるブログを執筆していると、「如意」という言葉には敏感にならざるを得ません。思いのまま、意の如くに願いを叶えてくれる「如意」という言葉。如意巻きを作りながら、安倍文殊院の晴明堂にある“如意宝珠”のことが頭をよぎります。
大和肉鶏の如意巻き。
先日、大神神社挙式後の披露宴にズワイガニの酢の物をお出ししました。その蟹の残りが冷蔵庫にあったので、大和肉鶏の挽き肉と混ぜて如意巻きを作ることを思い立ちます。
孫悟空の緊箍児(きんこじ)!如意の形は縁起良し
大和肉鶏は奈良県特産品のブランド肉です。
名古屋種とニューハンプシャー種、シャモとを交配した新しい高品質の鶏肉で、飼育期間も長いことで知られます。じっくりと手塩にかけて育てられた鶏肉の旨味は、まさに「かしわ」の味を思い出します。
大神神社の拝殿には、既に来年の干支である巳を描いた大絵馬がお目見えしていました。
白蛇の信仰が根付く大神神社。
大絵馬には巳の神杉も描かれており、来年の2013年度は卯年に続いて大神神社の当たり年になることでしょう。
如意というのは、インドから伝わった仏具のことを意味しています。
先っぽがくるっと丸まった棒状の仏具で、どこか孫の手を想像させるフォルムです。それもそのはず、痒い所に手が届く孫の手と如意には深い関係があるようです。
如意と聞くと、TVドラマの西遊記で育った世代の私には“孫悟空”が手にしている如意棒を想像することがあります。
孫悟空が悪いことをすると、三蔵法師がお経を唱えていましたよね。その際、孫悟空の頭の輪っかである緊箍児(きんこじ)が悟空の頭を締め付けるわけですが、あの緊箍児の先っぽもくるっと丸まっていたのを思い出します。
如意巻きとは、まさしく言い得て妙の料理名ですね。
迎春準備中の大神神社境内。
祈祷殿前の様子を撮影してみました。
普段は参集殿の玄関口にいるなでうさぎですが、お正月期間中は祈祷殿前にお引越しをする習わしです。大神神社の結婚式が執り行われる儀式殿の中へ、多くの巫女さんたちが吸い込まれていきました。お正月の準備で忙しくされているようです。
孫悟空を思いながら食べればいいのでしょうか(笑)
生姜やねぎを効かせてさっぱりとした口当たりに仕上げています。
巻き簾を両サイドから巻き込んで、真ん中に残りの肉あんを練り込みます。さらに全体を巻き込むという料理法の如意巻き。あらゆる方向から全体を丸くまるめ込まれる如意巻きは、どこかお釈迦様の掌の上で躍らされる孫悟空の姿にも似ています。