氷室神社の木蓮

春を告げる木蓮が氷室神社の境内に咲いていました。

奈良国立博物館の真向かいに鎮座する氷室神社。興福寺から東大寺へ向かう道中にある神社ですが、名物の枝垂桜が満開を迎える時期には、毎年数多くの参拝客で賑わいを見せます。

氷室神社の木蓮と枝垂桜

氷室神社の木蓮と枝垂桜。

氷室神社の枝垂桜は奈良の一番桜とも言われるほど有名ですが、木蓮に関しては初めてその存在に気付かされた次第です。奈良に開花する木蓮では秋篠寺の木蓮が印象に残っていますが、氷室神社の木蓮も見事な咲きっぷりです。

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上向きに開花する木蓮

何と言っても特徴的なのが、木蓮のその咲き方です。

上向きに半開き状態で開花するその姿は他に類を見ません。ぼってりとした木蓮に、可憐で華奢な枝垂桜。上向きに咲く木蓮に、うなだれるように枝垂る桜。対照的な二つの花が氷室神社の境内を彩ります。

氷室神社の木蓮と鳥居

梅が開花した後に桜が開花するわけですが、そのちょうど中間時点に咲くのが木蓮です。

当館の裏庭にも毎年木蓮の花が開花します。白い木蓮と書いて、白木蓮(はくもくれん)と言います。木蓮の蕾が上を向くと、いよいよ今年も春がやっ来るんだなぁと感慨に耽ります。

氷室神社の木蓮と青空

木蓮には青空がよく似合います。

太陽の光を受けて南側に膨らむ花弁。そのため、花の先は北側を指し示します。古代から存在していたと言われる木蓮は、いにしえの都にもよくマッチしています。

氷室神社の枝垂桜

氷室神社の氷室とは、冬にできた氷を保存しておく室のことを意味します。

夏を越しても溶けることのない氷。冷蔵庫の無かった時代にも、知恵を絞って大切な氷が保管されていました。土を3m余り掘り、その上に草をかぶせるという構造です。氷室の中には茅やススキが厚く敷かれ、その上に氷が置かれました。

平安時代の「延喜式」によると、大和周辺には21もの氷室が設けられていたと伝えられます。

以前、天理市にある氷室神社へ車でアクセスしようとしたのですが、残念ながら道に迷ってしまいました。未だに天理市の氷室神社へは行けずじまいです(笑)今年中には是非、参拝してみようと思っています。

氷室神社の鹿

花の匂いに誘われたのか、奈良公園の鹿も境内へやって来ました。

案の定、カメラマンたちの格好の被写体に早変わり(笑)

氷室神社の木蓮とおみくじ

木蓮におみくじが結び付けられていますね。

スターダストレビューの歌に「木蓮の涙」というのがあったように記憶しています。涙は頬を伝って下に落ちるものですが、大粒の木蓮は上を向いています。「木蓮の涙」とはどういう意味なのだろうか、そんなことをぼんやり考えます。

今朝、当館の裏庭を覗いてみると、ぼてっと地面に落ちた木蓮の花弁が目に入って参りました。この悲しいまでの落ち方が「木蓮の涙」なのだろうかと、直感的に思ったりもします。

氷室神社の木蓮と枝垂桜

春先の枝垂桜のシーズンには、今までにも何度か訪れた氷室神社

次回は是非、毎年5月1日に催される献氷祭に足を運んでみたいなと思います。ゴールデンウィーク期間中ということもあり、叶わぬ夢かなと思うこともありますが、そこに意志があれば必ず道は開けるといったところでしょうか(笑)

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