相生の梛に縁結び祈願!不空院

2013年に訪れた不空院。

山の辺の道の「奈良道」へ通じる途上にあります。

真言律宗のお寺である不空院は「えんきりさん」とも呼ばれ、どちらかと言えば、縁結びよりも縁切りにご利益のあるお寺なのかと思っていました。願いが通じて悪縁が切れれば、自然と良縁を望むものなのでしょうか。不空院の境内に、縁結びの木とされる相生の梛が育てられているのを見つけました。

相生の梛

相生の梛。

梛(なぎ)の木の近くに案内書が掛かっていて、梛の木の葉は千切れ無いことから縁結びにご利益があると書かれていました。

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奈良市写真美術館の近く!真言律宗の不空院

千切れない葉っぱとは、一体どんな葉っぱなのだろうかと確認してみることに致しました。

相生の梛の葉

相生の梛の葉。

なるほど、丈夫そうな葉っぱですね。

梛の木は、熊野神社や熊野三山系の神社においても御神木として珍重されています。

雄雌一対が参道に植えられているそうですから、その霊的パワーは立証済みといったところでしょうか。

山の辺の道の道標

山の辺の道の道標。

一般的に山の辺の道といえば、桜井市の金屋方面から天理市の石上神宮辺りまでの道のりを指しますが、実はさらに北へと辿り、奈良方面まで伸びているのが実情です。

国宝ひしめく新薬師寺や奈良市内を眺望できる白毫寺、それに入江泰吉記念 奈良市写真美術館へと向かう途上に不空院はあります。

不空院本堂

不空院本堂。

相生(あいおい)という言葉から、縁結びで有名な京都下鴨神社の相生社を思い出します。

どこか美しい言葉の響きを持つ「相生(あいおい)」。

相生の梛

良縁をしっかりと結び付ける梛の葉っぱ。

実は不空院の相生の梛には、縁結びのみならず縁切りにもご利益があります。

梛(なぎ)は薙(なぎ)にも通じます。

苦難や悪縁を薙(な)ぎ倒して、人生街道を進んで行く姿が想像されます。ちなみに梛は、凪(なぎ)にも通じています。昔から船乗り達からの信仰も篤く、梛の葉を災難除けとして、お守り袋や鏡の裏などに入れる俗習が伝わっています。

次々と襲い来る苦難を薙ぎ倒して、荒波を避けながら凪の状態に自身の身を置く。

長い人生には夫婦の危機も幾度となく訪れることでしょう。その度に相生の梛が私たちを救ってくれるとすれば、この上なく有り難い存在に思えてきます。

不空院の縁結びさん縁切りさん

不空院の縁結びさん縁切りさん。

縁切りさんと言うと、どこかネガティブな印象も受けますが、さらにその続きがあることを忘れてはなりませんね。あくまでもその次に来る良縁を祈願するために、一旦断ち切る悪縁であることを確認致します。

相生の梛の葉っぱのように、未来へ向けて堅固な絆が結ばれますように。

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