ぼたんまつり開催中の長谷寺境内に大手鞠(おおでまり)が開花していました。
咲き始めの黄緑色が美しいオオデマリ。最後は白色に変化するオオデマリですが、その一歩手前の淡いグリーンが青空によく映えます。
長谷寺に開花するオオデマリ。
オオデマリに出会えたのは帰路に着く途中でした。
花言葉は華やかな恋!結実しない大手鞠(おおでまり)
長谷寺の本堂、御影堂、五重塔などを見終わり、休憩処で紙コップのアイスコーヒーで喉を潤します。一服した後、一路帰り道の坂を下っていると、ふと左手に見事なオオデマリの花が見えてきました。
向こうに見えているのは長谷寺の登廊です。
仁王門をくぐって、本堂へ続く399段の登廊を上がって行くわけですが、その始めの段階の登廊が見えています。拝観順路を無視するならば、参拝始めに登廊を左へ曲がってオオデマリを観賞することもできるようです。
長谷寺を象徴する輪違い紋。
両脇に日本国のシンボルとしても知られる五七桐、その真ん中に寺紋である輪違い紋がデザインされています。
その咲きっぷりの良さからか、オオデマリの花言葉は「華やかな恋」とされます。
一つ一つの花は結実しない中性花で、雄しべと雌しべの退化した装飾花から成ります。種を付けずに繁殖しないという特徴を持つわけですが、どこか華やかでありながらも、結局は実を結ばない恋と似たような感じがしないでもありません。
まだ咲き始めの段階では想像するのが難しいですが、白いオオデマリの花の英名は、見た目そのままの Japanese Snowball です。植物学的にはスイカズラ科に属しています。
長谷寺のぼたんの蕾。
本坊から本堂の方向を望みます。
国宝の本堂ですが、清水の舞台を思わせる長谷寺の舞台も老朽化が進んでいるのでしょうか、舞台の修理工事を前に勧進が薦められていました。
今年のぼたんが満開を迎えるのは、まだもう少し先になりそうですね。
長谷寺本堂の舞台では、いつもながらにたくさんの観光客が思い思いの時を過ごしていらっしゃいます。
ここに立つと、舞台から眺める紅葉の風景を思い出します。舞台から見降ろす風景でいえば、やはり牡丹や紫陽花よりも紅葉や雪景色がおすすめです。新緑の季節にも捨て難いものがあるのかもしれません。
牡丹ばかりに目が行きがちですが、こういう風景も楽しめることを忘れてはなりません。
境内にはつつじ、シャクナゲ、シャガ、はなみずき、藤などの花も見られました。
主役はもちろん、牡丹の花です。
ぼたんの季節は初夏のみにあらず、寒い時期の寒牡丹も参拝客の目を楽しませてくれます。ひっそりと慎ましやかに咲く寒牡丹よりも、やはり豪快に咲き誇る初夏の牡丹を楽しみにしている人は多いのではないでしょうか。
主役を引き立てる脇役のオオデマリも、そろそろ満開の季節を迎えようとしています。
大型連休のゴールデンウィークといえば、長谷寺詣で。
大手旅行代理店の旅行プランの中にも数多く組み入れられているのを見かけます。まだ咲き始めの長谷寺のぼたんではありましたが、駐車場には既に数台の大型観光バスが停まっていました。これからいよいよ本番を迎えます。
白く色づくオオデマリも、あともう少しのタイミングです。