定期的に開催されているキトラ古墳壁画の公開イベント。
今回は東の方角を守る四神・青龍の番です。
毎度のように踏台に上がって、まじまじと本物の壁画を鑑賞します。見学前からある程度分かっていたのですが、やはり青龍だけは不鮮明です。最も鮮明な白虎に比べれば、その違いは明らかです。
青龍のクリアファイル。
受付で住所・名前・電話番号などの個人情報を記入し、入館許可証のシールを胸に貼り付けます。公開時間はあらかじめ決められており、それまで「四神の館」の館内を巡ります。最終コーナーで映像を楽しんだ後、無料配布されたクリアファイルをかざします。少しは判別しやすくなっているだろうかと期待しつつ・・・
東西南北に割り振られた地勢
恒例行事の壁画公開。
「四神の館」が竣工する前は、これほど頻繁に公開されるとは思ってもみませんでした。歴史ファンならずとも、嬉しい企画ではないでしょうか。
四神の館前の休憩ベンチ。
四神相応という言葉があります。
地相の観点から、天の四神に応じた最良の土地柄のことを意味します。古代の都づくりにも生かされた考え方で、東の方角には流水が当てられました。東に川の流れがあれば吉とされます。川があればそこには山があるわけですが、決して高い山ではなく低い山が想像されます。
高い山は北の玄武の方角です。西に大道(だいどう)、南に沼(窪地)で四神相応の地となります。
キトラ古墳の墳丘。
墳形は古墳時代後期に多く見られる円墳です。墳丘の手前に、周辺の地形が立体的に再現されていました。
近鉄飛鳥駅前に咲くアガパンサス。
キトラ古墳は駅から歩くこともできますが、所要時間はおよそ20分です。
青龍の乾拓版。
改めて見ると、この赤い舌が印象に残りますね。
クリアファイルではその姿を確認することができます。
しかしながら、実物はまだ”途上”といった感じでした。
あるいは、もうこれ以上の蘇生は望めないのかもしれません。壁画修復に尽力されている方々を思うと、自然と頭が下がります。頭の中で想像力を掻き立てながら、現在の青龍に向き合う。水の流れを感じさせる青龍のしなやかな姿を、一人一人の頭の中で思い描きましょう。