五鈷杵(ごこしょう)とは密教法具の中の金剛杵の一種で、
弘法大師が右手に持つ法具として知られます。生駒市の長弓寺塔頭である円生院の境内に於いて、なで五鈷杵なるものを発見致しました。
長弓寺円生院のなで五鈷杵。
魔を払い、身を守るための密教を代表する法具である五鈷杵。
弘法大師空海と共にある『なで五鈷杵』
邪悪なものに対する攻撃的な意味合いも感じられる五鈷杵ですが、どうやらこちらの「なで五鈷杵」には、お堂の外陣に坐しておられる ”びんずる尊者” のような役割があるようです。
説明書きがありました。
身体の悪い所をさすって、なで五鈷杵のご利益にあずかりましょう。
長弓寺の塔頭の一つである円生院。
宿坊にもなっていて、予約すれば精進料理も食べることができます。
下がり藤の紋が見えます。
下がり藤があれば、その反対に上向きの上がり藤もありますが、家紋の世界では下がり藤の方が格式が高いと言われます。奈良の春日大社の神紋が下がり藤であることはよく知られています。
祈願ろうそくですね。
12時間灯し続けることができるようです。
長弓寺の紫陽花。
富雄から学園前方面へ向かう道沿いに、梅雨を満喫するかのように咲き誇る紫陽花の花が咲いていました。
円生院の入り口の所に、宝珠の形を模ったかのような紙がぶら下げられていました。
いわゆる火炎宝珠の形を連想させます。
長弓寺円生院の干支絵馬。
真ん丸お月さんの中に、干支の兎が活き活きと描かれています。
こちらの絵馬は、梵字でしょうか。
柱の下に目をやると、鯉なんでしょうか、勢いよく魚が飛び跳ねています。
お寺の細部に渡る意匠には、思わず感嘆のため息がもれます(^-^)
燈籠の下には、鶴でしょうか・・・鳥の姿が浮き彫りにされています。
見ていて飽きませんね。
燈籠のデザインの向こう側に、なで五鈷杵。
長弓寺と言えば、国宝の本堂ばかりを思い浮かべがちですが、幾つかある塔頭の中にも思わぬ発見があって面白いですね。