葛城市長尾に鎮座する長尾神社境内には、たくさんの絵馬が掲げられた絵馬殿があります。
長尾神社拝殿前の狛犬越しに絵馬殿を望みます。
狛犬の尻尾って、こうやって見ると平べったい形をしているんですね。
氏子の印!赤ちゃん誕生を祝って絵馬奉納
長尾神社の御祭神は水光姫命(みひかひめのみこと)と白雲別命(しらくもわけのみこと)とされます。
水光姫命は『古事記』や『日本書紀』に、体が光って尾が生じていたと記されています。大蛇の尾にたとえられる長尾神社ですが、御祭神にも尾があったようです。
長尾神社の絵馬殿。
神様に捧げる神馬に起源を有する絵馬ですが、これだけたくさんの絵馬を一度に見る機会はそう無いのではないでしょうか。何よりも絵馬のためだけに、一つの建物が建っている。そのことに興味を覚えます。
絵馬殿の中を覗きこむとこんな感じです。
毎年10月4日に御例祭が催される長尾神社。
当日の夜、初夜宮詣があります。新婚夫婦や氏子衆が集い参じ、この一年間に誕生した赤ちゃんが氏子になった印として絵馬を奉納する習わしです。
一般に男児は武者絵、女子は尉(じょう)と姥の絵とされます。
尉(じょう)とは一体何を意味しているのでしょうか?古語辞典を紐解いてみると、能楽で用いられる老翁の面と解説されていました。絵馬のデザインを見れば、男の子が誕生したのか女の子が誕生したのかが分かるようです。
境内を入ったすぐ右手に初宮詣の絵馬が掲げられていました。
「すこやかに育ちますように」 挿絵の題材は猫でしょうか?
歴史国道 竹内街道周辺案内図。
真っ直ぐ進行方向に竹内街道が伸びています。左手に進めば、長尾神社の鳥居が見えて参ります。
拝殿の向かって右手に絵馬殿があります。
大神神社の手水舎では、酒樽の上で蛇がとぐろを巻いていますが、かつて三輪山の周りを大蛇が幾重にも巻いて、その尾の部分が長尾神社にまで達していたと伝えられます。
頭が大神神社で尾が長尾神社。
そんな伝承が残る長尾神社には、数多くの絵馬が奉納された絵馬殿がひっそりと佇みます。