近鉄飛鳥駅前を流れる高取川。
国道沿いの川に、「豊年橋」という短い橋が架かっています。豊年橋の西詰には、寛政8年を刻む道標が建っていました。
豊年橋西詰の道標。
道標の北面に「ほう祢ん橋」と刻みます。「ね」を「祢」と記すあたりに歴史風情を感じさせますね。
明日香村越に建つ1796年の道標
寛政8年といえば、西暦1796年に当たります。
天明と享和の間に設けられた元号で、第11代徳川家斉の時代に相当します。そんな昔の道標が、今もなお残されていました。
道標西面の「寛政八年丙辰秋九月橋成 」。
橋が完成した月も記されています。
撮り忘れてしまいましたが、国道側の東面にも「こんかう山ミち 」と刻みます。
国道側から橋を渡って西へ進むと、やがて近鉄吉野線の線路が見えて参ります。線路を超えた先には、精美な横穴式石室で知られる岩屋山古墳があります。さらに国道を挟んだ北東方向には、謎の石造物・猿石があることも付け加えておきます。
近鉄飛鳥駅前。
観光案内所の「飛鳥びとの館」ですね。
道標の脇に建つ豊年橋の碑。
かなり大きな石碑です。
これが豊年橋。
現在の橋そのものはいつの時代に架けられているのでしょうか。おそらく経年劣化も見られることでしょう。どのように維持されているのか、興味の尽きないところです。
岩屋山古墳の墳丘。
墳丘をこの角度から見ることが出来るとは、今の今まで知りませんでした。
墳丘の上には桜の木が生えています。もう散ってしまった後でしたが、満開の時は綺麗だったことでしょう。