4月中旬の土曜日。
桜の花も見頃を終え、初夏を思わせる陽気の中、当館の中庭に於いて和太鼓パフォーマンスが繰り広げられました。一昔前には三味線や太鼓の音で賑わっていた館内ですが、久しぶりにお腹に響き渡る太鼓の音を楽しませて頂きました。
中庭にセッティングされた和太鼓。
三つの和太鼓がちょうどいい塩梅に配置されています。
万葉夢太鼓の「華鼓」・・・お話を頂いてから演者の方に下見にお越し頂きました。当初は二階の披露宴会場で和太鼓演奏をして頂く予定だったのですが、太鼓の波動で天井から埃が落ちてくる可能性もあるとのことで、急きょ屋外の中庭で叩いて頂くこととなりました。
結論から言えば、演奏場所を中庭にして良かったと思います。やはり和太鼓には風情ある中庭がよく似合います。
伊勢海老やヤマトポークの婚礼料理でおもてなし
今回の和太鼓演出は、結婚披露宴の演出の一つでした。
婚礼料理は松竹梅の竹コースと決まり、さっそく鳥羽磯部漁業協同組合に活きのいい伊勢海老を発注します。肉料理は奈良名産のヤマトポークを使った香草焼き。メインになる食材を仕入れ、着々と準備を進めていきます。
会場には鏡開きの酒樽も到着です。
結婚式の食事会の演出にも様々なものがありますが、やはり何と言っても鏡開きはその最たるものではないでしょうか。
いや~、迫力がありますね!
音をお届け出来ないのが誠に残念ではありますが、和太鼓ならではの重厚な音の響きに酔い痴れます。演奏開始時刻が少し遅れたこともあり、当日の宿泊客も一緒になって聴き入ります。チェックイン予定時刻よりも早い到着に、これは太鼓の神様が呼び寄せたのかなと感じました(笑)
中庭の飛び石と和太鼓。
和太鼓の配列と飛び石のそれが重なります。
絶妙な間隔で並んでいるのが飛び石ですが、和太鼓のラインにもどこかよく似た秩序が感じられます。
鳥羽磯部漁協から仕入れた伊勢海老。
グニョグニョと足を動かし、まだまだ元気な伊勢海老です。昨今は伊勢海老料理と言っても、本物の伊勢海老ではない ”まがい物” の伊勢海老料理が巷では提供されていますが、当館の伊勢海老料理は本物です。
こうやって見ると、和太鼓にも色々な種類があることが分かります。
それぞれに響き渡る音も違うのでしょうね。
こちらは牛信さんから仕入れたヤマトポーク。
適度に脂の入った肩ロース肉に、ローズマリーの風味を付けてオーブンで焼き上げます。
引出物でしょうか。
食事会の始まる前に会場へ上がると、座敷用宴会テーブルの手前に紙袋が置かれていました。これから始まる食事会を控え、会場は心地よい緊張感に包まれます。
二階からも楽しめる和太鼓演出
当館の館内一階は中庭を囲むように客室が配備されています。
渡り廊下を挟んで北と南の二か所に中庭が広がっており、和太鼓演出が行われたのはその南側の中庭に当たります。
見学者のほとんどが中庭沿いに出ておられましたが、披露宴会場の二階からでも楽しむことができます。見下ろす角度で演奏を満喫することができるのです。何とも贅沢な空間です(笑)
こんな感じ。
演奏を満喫すると言っても、さすがに私は写真撮影が目的です。ささっと写真を撮ったら、そのまますぐに厨房へ逆戻りです(笑) 結婚式のお客様のお料理は出し終わっていたのですが、その後すぐに宿泊客のご夕食の準備がありました。
演奏開始前の一コマです。
渡り廊下の柱の向こうに石灯籠が見え、ちょうどいいアングルです。夜にライトアップされた中庭で演奏して頂くのもいいでしょうね。
演者が周りの見物客に声を掛けておられますね。
万葉夢太鼓のいい点は、一般の見物客にも太鼓を叩かせてくれるところです。和太鼓を思いっきり叩いてみたい、そう思っている人も多いのではないでしょうか。そんな潜在欲求を満たしてくれるのです。
なんだかこのまま飾っておいても違和感なさそう(笑)
和風庭園では石灯籠や飛び石がいいアクセントを生み出していますが、これはもう和太鼓とて同じですね。
結婚披露宴を盛り上げる演出の一つとしておすすめしたいと思います。
結婚式の準備には婚礼衣裳をはじめ、婚礼料理、写真、引出物、演出と実に色々なものがあります。食事会や披露宴の演出は必須項目でこそありませんが、あるとないとでは随分印象が違って参ります。
ウェディングケーキのケーキカットの後、ファーストバイトとしてビッグスプーンを使う演出も今まで何度かございました。鏡開きで景気付けする演出もすっかりおなじみです。そこへ新たに、和太鼓パフォーマンスを加えてみてもいいですね。
和婚ならではの演出に、新郎新婦様はじめご列席の皆様方もご満足頂けること請け合いです。