神社仏閣に詣でていると、時折目を引くデザインに出会います。
新薬師寺の境内で見た障子の引手もその内の一つ。
障子の引手。
障子の木枠がそのまま引手になったようなデザインです。
そこにバッテン印が浮かび上がります。これはやはり、結界を表しているのでしょうか。
国宝の十二神将ばかりではない境内の魅力
新薬師寺といえば、御本尊の薬師如来坐像を取り巻くように配置された十二神将が有名です。
中心にどっかりと腰を下ろす御本尊よりも、一際存在感を解き放っているのがバサラ大将(十二神将)です。新薬師寺の見所は十二神将であり、バサラ大将と言っても過言ではないでしょう。
そんな中にあって、本堂以外にも目を向けてみる価値はありそうですね。
往時は食堂として使われていた本堂。
奈良時代の入母屋建築の粋を今に伝えています。本堂真ん前に建つ一基の石燈籠が原初のスタイルを思わせます。本来は両サイドに配置されるものではなく、真正面に一基のみという形です。
たかが障子の引手に目を奪われるとは思ってもみませんでした。
古い建築物は見所にあふれています。
引手に手を添える瞬間、心を新たにするのでしょうか。俗界と仏界を隔てる境目に居ることを気付かせてくれるのかもしれません。