吉野郡下市町下市に降剣神社(ふりけん)が鎮座しています。
拝殿には剣が掲げられ、神社の名前からも天下る神剣がイメージされます。地元では「フリケンさん」と呼ばれているようです。下市八幡神社と同じく、下市エリアの氏神です。
降剣神社の境内。
社殿の後方は丘陵で、人気(ひとけ)のない独特な雰囲気を醸します。
経津主神を祀る堀毛神社
降剣神社の御祭神は経津主神(フツヌシノカミ)です。
『日本書紀』に登場する神様で、香取神宮(千葉県香取市)の祭神として知られます。フツヌシと言えば、奈良県の春日大社にも祀られていますよね。
拝殿に仰ぐ神剣。
二本の剣が並んでいます。鈴緒には2つの鈴が下り、その奥に見えるのは本殿でしょうか。
参道沿いの灯篭に「堀毛町」と記されていました。
どうやらフリケンさんのことを「堀毛神社」とも言うようです。参道の右脇に材木置場、左脇にはグラウンドが広がっていました。
「降劔神社」と刻みます。
地名由来の堀毛神社より、やはり降剣神社の方がインパクトがありますよね。
下市町から洞川の方へ向かう道です。
その右手に社叢が見えています。
木製の灯篭がずらりと並びます。
夜間には灯されるのかもしれません。
降剣神社の石鳥居。
明神鳥居に注連縄が張られ、四つの紙垂が揺れていました。
青紅葉と拝殿。
秋には色付くのでしょう。
拝殿の基礎には片岩が使われているようです。
いかにも吉野らしい。
石燈籠の竿の「降劔大明神」。
剣の上部に「奉納」と記します。
天にわかにかき曇り、ひと振りの剣が落ちてきた
そんな伝説があるようです。
唐草文様に囲まれた菊の御紋ですね。
無格社 堀毛神社の境内図。
社殿は今と変わらず、拝殿と本殿のみのようです。自然の緑に包まれた様子がうかがえますね。
ひっそりとした境内です。
ふらりと訪れた神社でしたが、神剣を拝めただけでも大満足です。下市町観光の穴場としてご案内しておきます。