奈良県コンベンションセンターを訪れました。
奈良県のビジネスや観光を盛り上げるMICE(マイス)として注目されます。世界中からビジネスマンや学者が集い、新たなイノベーションが生まれる。将来への期待を胸に、少しだけ見学させて頂きました。
奈良県コンベンションセンターの天平広場。
建物が両サイドに分かれ、連絡通路でつながります。
会議室・コンベンションホールと観光振興施設の間に広がる広場ですね。どうやら奈良県はこういう建築設計がお好みのようです。県庁横の奈良公園バスターミナルも同じような構造です。観光バスが行き交う奈良公園バスターミナルに対し、コンベンションセンターには開放感あふれるイベント会場が広がっていました。
木目の美しいアート空間!経済効果を生む奈良の新スポット
奈良県コンベンションセンターを訪れ、まず魅了されたのが木目調のアート作品です。
壁や休憩椅子に使われる木目模様が実に美しく、洗練された雰囲気を醸します。吉野杉をはじめ、奈良県は材木で栄えた土地柄です。世界にアピールするために、木に焦点が当てられたのかもしれません。
正面入って左側が、会議場やコンベンションホールを有する棟です。
「奈良県コンベンションセンター」と掲げられていますね。
対する右側は、天平ホール(劇場空間)や観光振興施設の集まる棟となっています。蔦屋書店をはじめ、スターバックス、ファミリーマート、中川政七商店などが店を構えます。
地上駐車場・バスターミナル方面から奈良県コンベンションセンターへ向かいます。
ここが正面ということでしょう。この位置からだと、右奥が別施設のNHKですね。写真には写っていませんが、大宮通りに面した左側にはJWマリオットホテルがあります。
会議場の出入口付近に並ぶ椅子。
かなり長い廊下ですね。会議の途中、ここに座って一服することになるのでしょう。
会議室前の休憩所が、最もアイディアの出る場所です。緊張がほぐれた時、いい案が浮かびます。きっとα波が出るんでしょうね。
大宮通りから南へ入ります。
奈良県コンベンションセンターが見えてきました!
コンベンションセンター西側のバスターミナル。
空港リムジンバス乗り場ですね。関西空港から直結運行しており、所要時間は約100分です。
Nara Prefectural Convention Center と、英語で表記されます。
そもそも MICE(マイス)とは、Meeting(会議・研修)、Incentive travel(報奨旅行)、Convention(国際会議・学会)、ExhibitionまたはEvent(展示会・イベント)の略称です。大まかに言うと、ビジネスイベントのことを意味しています。
私たちが普段行う観光旅行に比べ、その消費額の大きさや高い波及効果に期待が集まります。
コロナ禍の只中にオープンした奈良県コンベンションセンター。
三密を避けることが声高に叫ばれ、会議そのものに疑問符が投げかけられているご時勢ではあります。そんな事情を抱えながらも、オンラインMICEの可能性も示唆されています。
新しい生活様式、ニューノーマルに見合ったMICEのあり方にも注目が集まりますね。
蔦屋書店。
スターバックスや中川政七商店との相乗効果が感じられる空間でした。
本屋でありながら、窓側には喫茶スペースが設けられ、程良い連帯が生まれています。壁で仕切ることも無く、お互いがつながる心地良い空間です。「ブックカフェ」と呼ばれる業態ですね。観光振興施設内には箱庭も再現され、新たな観光提案を感じました。
入口付近。
天井にも県産材が施されているようです。
コンベンションセンターのエントランスホール。
格調高く、落ち着いた佇まいですね。
絨毯には唐草文様が見られます。
随所に天平時代の奈良らしさを感じます。
四天王の広目天像。
西の守護神が邪鬼を踏み付け、睨みを利かせていました。
柔らかいタッチの木製ベンチ。
広目天の周りに配されます。
円形の窪みがありますね。
ここにどうぞお座りくださいということでしょう。
建材の表面が美しい!
ここは人が集う場所です。
国や都市の競争力向上にも寄与するMICE。
様々な分野の人が集い、新たなイノベーションを創造します。単なる足し算ではなく、掛け算で一足飛びに可能性が広がる場。私も20代の頃、東京で異業種交流会を主宰していたことがありますが、異業種の人々の出会いには化学反応が付き物です。予想もしていなかった何かが生まれ、新たな可能性を感じた記憶が蘇ります。
コンベンションセンターのフロント。
シックな造りで、参加者たちを出迎えます。
随所に見られる意匠。
様々な形、様々な角度で組み合うデザインは MICE の可能性そのものを表しています。
壁に施された材。
一つとして同じものはない木目が、一直線に続いています。
まるで年輪のよう。
ほぼ同心円状に広がり、波紋を思わせます。
水面に投げた小石が、その波を広げていく様子を見守り続けたあの頃。自ら事を起こし、その影響力を広げていくビジネスの世界。人を介し、物を介し、人とのご縁が円になり、いつしか¥(円)を生み出します。
このベンチもいいですね。
身をくねらせる蛇のように背もたれが伸びています。途切れることなく、右へ左へと人々の背中を支えます。
天窓から光が差し込みます。
この日は実際に会議は行われておらず、館内は水を打ったように静かでした。
オンライン会議のツールが出揃い、大規模イベントの数も激減する昨今です。リモートワークが進む中で、MICEの果たす役割の模索は始まったばかりでしょうか。
会議場から蔦屋書店へ続く連絡通路。
観光振興施設には多くの人が集い、とても賑やかな雰囲気でした。対照的な二棟でしたが、いずれ逆転する日も来ることでしょう。
二階から天平広場を見下ろします。
天井高13mのイベント広場です。
奈良県を世界に向けて発信する。
その目的で造られた肝入りの交流拠点です。奈良市役所の真ん前に位置し、近鉄新大宮駅からは徒歩10分の立地です。当初は奈良公園エリアと平城宮跡エリアを結ぶ拠点と認識していましたが、実際には奈良公園からはかなり遠いことが分かります。どちらかと言うと、平城宮跡寄りです。平城宮跡までなら、歩いてアクセスすることも可能です。