天理市杣之内町の都祁山口神社。
奈良市内にも同名の都祁山口神社が鎮座していますが、ここ天理市にもありました。場所は石上神宮となら歴史芸術文化村の間ぐらいです。周辺には東乗鞍古墳や保昌塚、峯塚古墳などが点在しています。
都祁山口神社の社号標。
明神鳥居が亀腹を土台に建っています。集落の中にひっそりと祀られていました。
拝殿前に御神木!大山祇命をご祭神とする都祁山口神社
都祁山口神社の御祭神は大山祇命です。
山口神社と言うぐらいですから納得ですね。かつては「白山権現」「水口明神」と呼ばれていた時期もあったようです。天理参考館のある守目堂町に白山神社が鎮座しており、辺り一帯に白山信仰が根付いていたことを思わせます。
拝殿の真ん前に立つ御神木。
見るからに“神前”です。拝殿前の敷地も狭く、ちょっと窮屈な感は否めません。
都祁山口神社へ続く参道。
緩やかなスロープが付けられていました。
東乗鞍古墳の墳丘。
この西側には、桜の名所にもなっている西乗鞍古墳があります。
保昌塚古墳。
可愛らしい円墳です。
道路を挟んだ向かい側には北池グラウンド(天理高校軟式野球部の専用グラウンド)があります。
国宝の石上神宮拝殿。
都祁山口神社から石上神宮へは徒歩10分足らずでした。
背後に見えている社叢が都祁山口神社です。なら歴史芸術文化村から国道25号を渡り、坂道を下ると厳島神社が祀られていました。
都祁山口神社の社前にお堂が建っています。
この辺りは杣之内町公民館の近くで、杣之内の中核エリアなんだと思います。
お堂の前に並ぶ地蔵石仏。
周辺から集められた石仏でしょうか。木堂町児童公園の前にも、地蔵菩薩の石仏群が祀られていました。廃仏毀釈の痕跡なのかもしれません。仏像廃棄の難を逃れ、一度は散り散りになった仏様たち。一堂に会し、今はほっと胸を撫でおろしていらっしゃることでしょう。
都祁山口神社の境内にあった征露記念碑。
県内神社のあちこちに、日露戦争の足跡が残ります。
真直ぐに立つ御神木。
幹周りに注連縄が張られ、そこに紙垂が下ります。
石燈籠の竿に「都祁山口神社」と刻みます。
大和国十四所山口神社の一座とされる都祁山口神社。奈良市内の高原地帯にある都祁山口神社がそれに当たるものと思われます。杣之内町は合併によって生まれた地名で、元を辿れば木堂村、山口村、内山村の集合体です。かつての村名である山口村に由来しているのかもしれません。
他の山口神社のように、山の入口に鎮座しているわけではありません。
ちょっとした穴場ですので、皆さんも一度訪れてみて下さい。