ここはかつて、元興寺の境内でした。
今のならまちエリアは元興寺境内だったと言いますが、その名残を留める場所が奈良市音声館の東側にありました。
元興寺小塔院跡に咲く水仙。
桜の隠れ名所としても知られる小塔院跡ですが、私が訪れた1月には水仙が開花していました。
国宝五重小塔が安置されていた小塔院
元興寺極楽坊へ行けば、今も国宝五重小塔を見ることができます。
精巧に造られた五重小塔ですが、元は元興寺小塔院にあったようです。
元興寺小塔院跡の西門。
「真言律宗小塔院」と書かれていますね。
反対側の東門が表門のようですが、今回私は裏門から坂道を上がって境内に入りました。
寂びれた雰囲気の境内です。
この日、私は小塔院跡を訪れる前に徳融寺を拝観しました。中将姫ゆかりのお寺ですね。
中将姫親子の供養塔!融通念仏宗の徳融寺
奈良市鳴川町に徳融寺(とくゆうじ)というお寺があります。 「奈良市音声館」の南に位置する融通念仏宗のお寺です。元は元興寺の塔頭で、今より北方にあったようです。ちょうどこの辺りには徳融寺をはじめ、誕生寺、高林寺(こうりんじ)などの中将姫ゆかり...
綺麗に整備された徳融寺の境内とは、また違った趣です。
史跡元興寺小塔院跡 昭和40年6月2日指定
この付近は、奈良時代(8世紀)には元興寺の境内だった所で、金堂の西南に位置しており、小塔堂を中心とする小塔院(別名、吉祥堂)がありました。小塔堂には、現在、元興寺(中院町)にある五重小塔(国宝)が安置されていたと考えられています。
小塔院(西新屋町)は、現在は真言律宗の寺院ですが、境内は元興寺の遺構として史跡に指定されています。 奈良市教育委員会
江戸時代の虚空蔵堂。
元興寺の遺構として史跡指定を受ける境内ですが、目立った建物は虚空蔵堂以外見当たりません。
玉垣に囲まれ、供養墓が建ちます。
誰を弔っているのでしょうか。
「?山上三十三度供養」と刻みます。
手を合わせるご老人の坐像石仏・・・世界遺産の元興寺に、時が止まったような空間がありました。