桜井市の纒向遺跡から犬の全身骨格が出土しました。
古墳時代前期のイヌの全身骨格で、極めて珍しい事例として報告されています。
纒向学セミナー『動物からみた纒向遺跡』の宣伝ビラ。
桜井市立図書館に於いて、7月14日(土)に第11回纒向学セミナーが開催されます。事前申し込み制で、先着270名の入場無料イベントです。ご興味をお持ちの方は是非足を運んでみて下さい。
馬の輪鐙も出土した纒向遺跡
纒向遺跡からは様々な動物の骨が出土しています。
真鯛やヘダイ、鯖に鰺といった魚の骨、さらにはイノシシの肩甲骨も見つかっています。
猪の肩甲骨の表面には焼いた跡があり、ひび割れの状況によって吉凶を占う卜骨(ぼっこつ)ではないかと推定されます。さらに纒向遺跡からは馬の存在を示す輪鐙(わあぶみ)も出土しています。鐙とは騎乗者が足を掛ける馬具の一種で、輪っかの形をした鐙を輪鐙と言います。足の前面を包み込む壺鐙(つぼあぶみ)に対し、足を引っ掛けるだけのタイプです。
整備前の纒向遺跡辻地区。
JR巻向駅のプラットフォーム西側に広がるエリアですが、今は大型建物跡の柱が林立しています。
出土した犬の骨にはキズが無かったそうです。
食用ではなかったことの証しです。桃の種と同じように祭祀に使われたのでしょうか。さすがに愛玩動物として飼われていたとは考えにくいですよね。
頭部がわずかに欠けていたようですが、ほぼ全身を網羅しています。
桜井市立図書館へは桜井駅南口から出ているコミュニティバスが便利です。
桜井市コミュニティバス談山神社行き「神之森町」を下車してすぐです。ちなみに桜井市立図書館の真ん前には、伊勢神宮から譲り受けた鳥居の建つ等彌神社が鎮座しています。