石清水八幡宮の門前名物として知られる走井餅を食べてみました。
京阪電車の八幡市駅を降り立って駅周辺を歩いていると、八幡市内の名物を案内する展示コーナーが目に入って参りました。お正月のおせちメニューなどでお馴染みの八幡巻はよく知られるところですが、初めて目にする ”走井餅(はしりいもち)” なる八幡グルメに目が留まりました。これはひとつ購入して食べてみようと思い立ち、さっそく石清水八幡宮一の鳥居前に店を構える「やわた走井餅老舗」さんに向かいました。
安居橋を背景に走井餅を撮影。
刀のような形をしていますね。それもそのはず、走井餅のモデルは刀の荒身です。刀を食べたら口の中が切れはしないかと心配になりますが、あっさりとした甘味の感じられる美味しい和菓子でした。
澱粉がまぶされた走井餅
走井餅の表面には澱粉(デンプン)がまぶされています。
包装の際に箱への付着を防止するため、白いでん粉が餅の表面にまぶされているのです。デンプンは風味を損ねるため、美味しく頂くためにはよく払ってから食べるのがいいようです。もちろん、体に害のあるものではないのでお好みにもよりますが(笑)
石清水八幡宮一の鳥居前に店を構える「やわた走井餅老舗(はしりいもちろうほ)」。
京阪電車に揺られながら淀川や木津川を超え、八幡市駅に到着します。駅を降り、ロータリーをぐるりと回るエジソン通を抜けてスーパーの角を右折します。程なく目の前に、鳩の扁額で有名な石清水八幡宮一の鳥居が見えて参ります。その鳥居の真ん前に、走井餅の老舗があります。
石清水八幡宮一の鳥居。
お正月の準備なのでしょうか、鳥居前にはブルーシートが掛けられていました。
一の鳥居前の道路も工事中で、工事関係者の方々が最後の調整をしておられました。この一の鳥居をくぐり抜けると、放生池、頓宮殿、高良社と続いていきます。
お店に入って「1個からでも注文できますか?」とお尋ねすると、快く応じて頂き、丁寧にパック包装して頂きました。
創業は明和元年(1764)に遡ります。
井口市郎右衛門正勝という人が、大津の地において走井の名水を用い、餡餅を作ったことに始まります。三條小鍛冶宗近が走井の名水で名剣を鍛えたという故事にちなみ、その形を刀の荒身にデザインしました。走井餅の形の由来は、名水で刀を鍛えたことによるんですね。
一の鳥居の左手の道を川沿いに進むと、歴史を感じさせる太鼓橋が見えて参ります。
近付いてみると、安居橋(あんごばし)という名前の橋でした。
確かに表面にはでん粉がまぶされています。
私は特に気にならなかったので、そのまま頂くことにしました。
石清水八幡宮の七曲りの参道です。
一の鳥居から真っ直ぐに進み、頼朝公ゆかりの松の横に建つ二の鳥居を抜けると、表参道へと続く七曲りが控えています。今回は男山ケーブルを利用せず、徒歩で石清水八幡宮を参拝致しました。ちょっとした距離はありますが、それはそれで楽しませて頂きました。走井餅を食べた後だったので、エネルギー補給も十分です(笑)
中には餡子が入っています。
その土地の名物を食すと、なぜだか分かりませんが元気が出てきます。走井餅は石清水八幡宮参詣には欠かせないグルメですね。