大和七福八宝めぐりで参詣した奈良の長谷寺。
長谷観音が安置される本堂の西側に、大黒天立像を収める大黒堂があります。私が訪れた日は、「大和七福神八宝霊場 福徳大黒天慶讃法要」が催されるちょうど三日前でした。
長谷寺大黒堂。
大黒堂の左手前には除幕式を待っているのか、ブルーシートのようなものが掛けられていました。
大和七福神八宝霊場!結縁・財宝の福宝
大黒様と言えば、大神神社の大物主命のことを思い出します。
インドのヒンズー教の最高神であったシヴァ神が日本へ伝来した後に、神道の大国主命と神仏習合したと伝えられます。開運招福と書かれた大神神社の盾にも、米俵の上に立つ大黒様が描かれています。
大黒堂に祀られる大黒天立像。
長谷寺の大黒天立像の像高は4尺5寸。
大神神社で見た大黒様と同じように米俵の上に立ち、左手に福袋を携え、右手には打ち出の小槌をお持ちになられています。福耳に切れ長の目、大きな鼻に笑みをたたえた口元が印象的です。
長谷寺本坊の牡丹。
大和七福八宝めぐりに便利な切符が近鉄主要駅で発売されていることもあり、たくさんの参拝客で境内は賑わっていました。
大黒天のぼり奉納を案内する看板。
インドに伝わるシヴァ神の外見は大黒天とは似ても似つかぬものですが、その源は同じであることを再認識します。破壊の神であったシヴァ神が、国造りの神として崇められる大物主神へと引き継がれていきます。表裏一体と申しますか、どこかで両極端は一致するものなのかもしれません。女神であったシヴァ神にも、新たなものを生み出すパワーが秘められていたのでしょう。
新緑に映える長谷寺五重塔。
長谷寺の紅葉風景ではおなじみの撮影ポイントです。
本堂周りの回廊をぐるっと右に回り込むと、左手に大黒天立像が安置される大黒堂が見えてきます。大和七福八宝霊場に名を連ねる小房観音の恵比寿天も福々しいお顔をされていましたが、長谷寺の大黒天立像も見るからにご利益に授かれそうなお顔立ちです。
長谷寺の入山料は大人・中高生500円、小学生250円となっています。