京都の土産物として人気の八ツ橋。
肉桂の香りが食欲をそそりますよね。八ツ橋の元祖は”焼き菓子”ですが、今回は生八ツ橋を作ってみました。
「生」と付くだけあって、作り立てが一番美味しい和菓子です。とは言え、食べきれない分は保存する必要があります。米粉を原料とする八ツ橋は、冷蔵庫に入れると皮が硬くなってしまいます。白米などにも起こる澱粉のβ化という現象ですね。その対処法も記しておこうと思います。
胡麻餡八ツ橋。
漉し餡の中に摺り胡麻を加えてみました。
今回の八ツ橋は餃子の皮で代用しています。大判餃子の皮を沸騰した湯に入れ、30秒ほど火を通します。穴杓子で掬い取って、すぐに氷水に取ります。
皮の形状を保ったら、丘上げして水分を拭き取ります。餡のタネを入れ2分の1、4分の1と折り畳みます。この間の作業はなるべく手早く進めましょう。あまりゆっくりしていると、皮がバット等にへばり付いてしまいます。
フライパンで少し炙る!冷蔵庫で硬くなった皮の復活法
食べきれない八ツ橋の保存方法ですが、まずは常温保存で出来るだけ早めに食べきることを考えます。残りは冷凍と冷蔵ですね。
冷凍保存の場合は一つ一つをラップで包み、食べる際に自然解凍します。冷蔵庫に入れて翌日食べる場合などは、フライパンで少し炙るのがおすすめです。黄粉(きなこ)が既にまぶされている場合は、黄粉から油が出て程よく仕上がります。黄粉が付いていないものは表面に霧吹きしてから、トースターで30秒焼けばOKです。
胡麻餡を包んだ状態。
包みたての生地は柔らかく、その日の内に頂くのがベストです。
黄粉、砂糖、肉桂、少量の塩をまぶして完成です。
肉桂(シナモン)の量はお好みですが、そんなに多く入れる必要はないと思います。基本的に黄粉の量が一番多く、その半分ぐらいの砂糖で仕上げます。
湯通しして氷水に取った餃子の皮。
この後、水分をさっと拭き取ってタネを仕込んでいきます。
この日は石垣鯛が入荷しました。
おちょぼ口のように飛び出た歯が印象的ですね。
シナモンはデザートによく合います。
シナモンとくれば林檎ですが、林檎と餡を組み合わせてみても面白いでしょう。黄粉も安定の美味しさです。奈良県民はお雑煮を食べる際、お餅に黄粉をまぶす風習があります。幼い頃から黄粉の美味しさに目覚めているからか、生八ツ橋も好物の一つになっています。