桜井市箸中の茶ノ木塚古墳。
現状は円墳ですが、前方部の短い”帆立貝型前方後円墳”の可能性も残ります。北口塚古墳の西、箸墓古墳の北東方向にありました。
茶ノ木塚古墳と箸墓古墳。
墳丘もさほど高くはなく、簡単に登ることができます。復元長28mの円墳で、幅9mの周濠も存在していたようです。
初夏がおすすめ!箸中エリアの小古墳群
昔ながらののんびりしたムードが漂う場所です。
三輪から巻向方面へ向かう際、山沿いの山の辺の道を通る人も多いでしょう。大神神社から玄賓庵、檜原神社、穴師へと至るルートで観光客向けの道です。今回の散策で気付いたのですが、敢えて山の辺の道を外し、茅原の集落を抜けて小規模古墳群を楽しみながら穴師方面へ向かってもいいでしょう。
茶ノ木塚古墳と箸墓古墳。
箸墓古墳の後円部は高く、深い緑に覆われています。その一方で手前の茶ノ木塚は平べったいですね。墳丘の色も鮮やかな黄緑です。
「三輪明神大神神社」の看板。
茅原から箸中へと向かう途中、三輪山を仰ぎ見るポイントです。赤い矢印の真上に、ちょうどカラスと思しき鳥が止まっていました。
茅原大墓古墳。
道中の右手に顔を覗かせます。
この後、茅原から箸中エリアに入り、ホケノ山古墳の前を通り過ぎます。
やがて左手に見えてくるのが北口塚古墳です。
北口塚古墳の西側に目指す茶ノ木塚古墳があります。
畦道を進むと、それらしき高まりが見えてきました。
現状円墳ですが、こんもりとした形ではありません。低い墳丘故、少々分かりづらい古墳かもしれません。
手前から茶ノ木塚古墳、北口塚古墳、三輪山の風景。
茶ノ木塚の西へ回り込み、東の方向を撮影しています。三輪山百景にでも加えておきたい一枚です。右手前に茶ノ木塚、左向こうに北口塚、そして三輪山を望みます。
このアングルだと、ホケノ山古墳を捉えます。
左手前に北口塚古墳、右側にホケノ山古墳、左向こうに三輪山が広がります。まぁ色々な角度から試してみて下さい。面白い写真が撮れるかもしれません。特に古代史ファンでなくとも、材料には事欠かない場所だと思います。
茶ノ木塚古墳の脇に初夏の花が咲いていました。
緑に包まれる三輪山麓は気持ちがいいものです。
茶ノ木塚古墳の墳丘裾。
古墳見学は概ね秋~冬が相場ですが、この辺りは例外かもしれませんね。ほとんどの古墳において横穴式石室の見学が出来ません。それ故、見学の対象は墳丘になります。新緑の季節、墳丘は見違えるように映えます。
水を張った田圃ともよく合います。
パッと見ではよく分かりませんが、この写真の中にも三基の古墳が隠れています。
三輪山麓を歩き慣れた人なら、一目で判断が付くでしょう。
織田信長を祀る建勲神社。
帰り道に立ち寄りました。
織田小学校校舎の西に当り、地域住民の公園になっていました。
稲穂が実る秋ごろに同じルートを辿っても面白そうです。一基一基の古墳を見学すると言うよりは、全体の風景の中で楽しむのがいいでしょう。日本の原風景に浸りながら、頭の中のキャンバスと照らし合わせてみる。茶ノ木塚古墳も含め、箸中の小古墳群を楽しむにはうってつけの方法です。