師走を前に、今年も安倍文殊院のジャンボ花絵が登場しました。
毎年パンジーを使って干支が描かれ、お正月の年賀状にも利用されます。2016年・申年の花絵も大いに活躍したのではないでしょうか。来たる2017年度へ向けて、いよいよ世の中が動き始めた感じがします。何はともあれ、初物は縁起が良さそうです。さっそく安倍文殊院まで車を走らせました。
酉年のジャンボ花絵。
文殊池に浮かぶ金閣浮御堂を背景に、色鮮やかな尾長鶏(オナガドリ)が出現!展望台から遥か西には、二上山や耳成山も見えています。冷たい空気を頬に感じながらここに立つと、あぁ今年も一年が終わるんだなと実感致します。
葛の葉稲荷の紅葉&守護本尊の水天
今年の紅葉は比較的早かったように思います。
各地で落葉が報道され、秋の醍醐味である紅葉シーズンも終わりを告げようとしています。安倍文殊院の境内も既に葉が落ちた後で、わずかばかりの紅葉が楽しめる程度でした。
文殊院の境内はWi-Fiが使えるようですね。
安倍の文殊さんからおふさ観音まで大和長寿道が通っています。大和長寿道の南側には広大な藤原京跡が広がります。ここは大和三山に囲まれた風光明媚な場所です。それにしても色鮮やかな花絵ですね!今にも動き出しそうな躍動感もあります。
文殊院の職員方が10日ほどかけて完成させたそうで、来春まで楽しむことができます。
長く成長し続けるようにという願いを込め、約8千株のパンジーでオナガドリが表現されています。葉牡丹で書かれた「合格」の文字も、受験合格祈願の安倍文殊院ならではですね。オナガドリは雄の尾羽が極端に長くなるのが特徴です。普通の鶏は一年に一回羽が生え変わるそうですが、オナガドリの雄の尾羽は生え変わることがありません。ずっと伸び続けるわけですね。そんなオナガドリにあやかって、展望台からそれぞれの願いを託します。
葛の葉稲荷。
鳥居脇に少しだけ紅葉が残っていました。
葛の葉稲荷には、安倍晴明の母である白狐が祀られています。
金運にご利益のあるお社ですので、商売繁盛の祈願にもおすすめですね。葛の葉稲荷は本堂向かって右奥に位置しており、少々分かりづらい場所にあります。石段を登って行かなければならないこともあり、いつも参拝客の姿はまばらです。でも、訪れる人が少ないからこその ”ご利益感” がありますよね。
鳥居横の紅葉。
毎年のことなのですが、紅葉の見頃である11月末は多忙を極めます。なかなか外出することができず、紅葉狩りには飢えています(笑) こうやって少しだけでも残っていると、ご褒美を頂いたような気分になるのです。
安倍文殊院の駐車場。
駐車料金は500円です。山内整備などに使われるようですので、協力金として奉納することに致しましょう。
尾長鶏の足も力強いですね。
大地を鷲掴みしているような印象です。合格の上の「五芒星」は安倍晴明のシンボルにもなっていますが、一筆書きで記すことができます。それは永遠や無限大にも通じ、どこまでも伸び続けようとするオナガドリの尾羽とも重なります。
花絵と文殊池の間に立っている木は桜です。
桜の開花時期になると、見事な桜が境内を彩ります。桜やコスモスの名所として知られる安倍文殊院・・・そこに、このジャンボ花絵が加わります。
展望台には安倍晴明を祀る晴明堂があります。
如意宝珠が置かれた台に目を落とすと、西の方角の酉、それに「水天」と刻まれています。
そもそも酉年の守護本尊は不動明王とされます。私は申年で大日如来なので、その前後はよく覚えています。水天は十二天の守護本尊に当たるようです。ちなみに十二神将では、酉年を守護する神様は迷企羅(めきら)大将になります。
展望台から下りてくると、すらりとした姿態の十一面観音像がお立ちになられています。
背後には無数の分身奉納仏が祀られていました。
ずらりと並ぶ分身奉納仏。
奉納者の名入りで3万円を納めます。それにしてもスゴイ数ですね!
背後には、閼伽井古墳(東古墳)が見えています。
近づいてよく見てみると、皆同じポーズを取っているのが分かりますね。
文殊院東古墳(閼伽井古墳)。
境内には切石の美しい文殊院西古墳があります。その東側に佇む古墳が閼伽井古墳です。横穴式石室が南に開口しており、玄室には石仏と石の井戸が祀られています。
手前に見えているのが石の井戸でしょうか。
出土品は不明ですが、7世紀前半の築造ではないかと推測されます。
西古墳は石室の中に入ることができます。一方の東古墳はどうなのでしょうか?いつもこの手前で立ち止まってしまうのですが、まぁ石仏と井戸が確認できれば十分かなと思います。
オナガドリの尾羽。
いっそのこと、もっと長くすれば話題にもなったのにと要らぬことを考えてしまいました。全体のバランスを考慮すれば、この長さが適当なのかもしれませんね。
国道165線へ向かう帰路の途中に、木材置場がありました。
桜井市の地場産業ですね。木材と言えば桜井、桜井と言えば木材。吉野方面から運ばれて来る材木の集積場として栄えた歴史があります。下火になりつつはありますが、今もなお桜井市の象徴として居続けます。
平成29年度の酉年が幸多き一年になりますように!