ぬるべの郷・曽爾村。
秋の曽爾高原は一面のススキに覆われ、見る者の心を奪います。
ススキはイネ科の多年草のようです。毎年2月から3月にかけて山焼きが行われ、ススキ以外の植物の生育を抑える活動が続けられています。今年は高原エリアを上から見下ろす贅沢を味わいました。
曽爾高原のほぼ中央にお亀池が見えます。
高原を縫うように遊歩道が通っていますね。見事な風景です!今回私は曽爾高原の亀山峠から二本ボソまで足を延ばしました。結構疲れました(;^_^A 曽爾高原ファームガーデンの駐車場から曽爾高原入口まで歩いたこともあり、総歩行距離はなかなかのものでした。
お亀池の大蛇伝説と俱留尊山
曽爾高原の先にあるニ本ボソと倶留尊山(くろそやま)。
倶留尊山は曽爾村で一番標高の高い山で、標高1,037mです。
曽爾高原の亀山峠が810m、二本ボソで996mあります。高原地帯を抜けて山へ入って行く所に、道案内として二本ボソ(0.3km)、俱留尊山山頂(1.0km)と出ていました。亀山峠から二本ボソまでの所要時間は25分ほどです。二本ボソから俱留尊山へは一旦下って、再び登るようです。さらに所要時間30分とのことで、今回は諦めて二本ボソまでとしました。
曽爾高原のススキ。
ススキの別名は「茅(かや)」、あるいは「尾花(オバナ)」と言います。秋の七草に数えられ、花言葉は「心が通じる」とされます。
曽爾高原の入口近く。
ここからさらに下った曽爾高原ファームガーデンの無料駐車場。その他、入口近くにも有料の駐車場があります。駐車料金は800円と案内されていました。ファームガーデンの近くには、温泉の「お亀の湯」があります。曽爾高原ハイキングを楽しんだ後、温泉に浸かるのもいいでしょうね。
お亀池の畔に、切り拓かれた休憩スペースがありました。
修学旅行生の姿が見えます。大自然に開放されたのか、生徒さんたちの「ヤッホー!」の声が木霊します。思わず叫びたくなるのも分かりますね(^O^)
右向こうに見えている建造物群は、国立曽爾青少年自然の家です。
瓢箪の形をしたお亀池の水面に雲が映ります。希少な湿原植物が観察できる池で、大蛇伝説が今に伝わります。
太良路に住む若者が、お亀という美人の嫁をもらいました。ところが、お亀は産後、実家へ帰ってしまいます。夜泣きする子供に困った若者は、お亀に乳をもらうため出掛けます。お亀池までやって来たお亀は、一度だけ乳を与えたと伝わります。再び乳をもらいに行くと、怒ったお亀が大蛇となり、お亀池に現れたそうです・・・。
山々に囲まれる曽爾高原。
曽爾村の大自然は素晴らしいですね。火山活動の名残を伝える鎧岳などは圧巻です。鎧岳の中腹には柱状節理の岸壁が見られます。剥き出しになった火砕流の境目が実にダイナミックです。
遥か麓の谷間に、曽爾村の街並みが見えます。
リアルな立体模型を見ているようですね。
曽爾高原は遊歩百選にも選ばれています。
眼下に見えるお亀池ですが、どこか火口のようでもあります。ところが、周囲に火山灰の堆積が見られないことから、特殊な浸食によって出来たものと言われます。お亀池の水は、雨水と亀山からの伏流水によって貯えられているのだそうです。
お亀池の周りにもススキが群生しており、透明な水を湛えていました。曽爾高原湧水群は、「平成の名水百選」にも選出されているようです。
高原エリアから山の中へ入って行きます。
所々にゴツゴツした岩が山肌に残っていました。
二本ボソから望む俱留尊山(くろそやま)。
日本三百名山に数えられ、入山料は500円です。
果たして曽爾高原とはどのエリアを指すのか?実は俱留尊山~亀の背に似た亀山を結ぶ西麓、そこに広がる高原地帯のことを表しているようです。
二本ボソ。
かつてここに、二本の大きな「ホソ」と呼ばれる木が立っていたことに因みます。ホソとは、おそらくコナラ(小楢)のことでしょう。二本ボソは絶景ポイントでもあり、条件さえ揃えば富士山も見えるそうです。
俱留尊山とススキ。
周囲には街灯も無く、空気が澄んでいます。美しい曽爾高原は、満天の星空を眺めるにもおすすめの場所です。
イワシの口。
二本ボソから少し下った場所にありました。
足がすくむような絶景ポイントです。
お亀池の周りで満足するのではなく、高原地帯をさらに登り、亀山や俱留尊山まで登山を楽しむ。曽爾高原のワンランク上の楽しみ方ですね。
上から見下ろす一面のススキは格別でした!