奈良の室生寺の歴史をご案内致します。
室生寺の歴史は、皇太子山部親王(後の桓武天皇)のご病気平癒のため、室生龍穴神社に祈願したことに始まります。
室生龍穴神社。
古代より水神(龍神)の聖地として仰がれた場所です。
室生寺から室生川沿いに登って行った所にあります。
歩いて室生龍穴神社に向かいましたが、室生寺から徒歩10分弱ぐらいでしょうか。
室生山の火山から噴き出したガスの穴に龍が住むと言い伝えられています。
龍神を祀ることにより、雨乞いの神として信奉されています。
桓武天皇病気平癒の祈願は、5人の高徳な僧によって行われました。
願いが功を奏したことから、勅命により国家のために創建されたのが室生寺の起源となっています。
蛍の観賞スポットにもなっている室生龍穴神社周辺
国宝の室生寺五重塔。
高さ約16mで、日本最小の五重塔と言われます。
室生龍穴神社に祈願することにより、後の桓武天皇になられるお方のご病気が治った・・・。
これは歴史的な、特筆すべき史実ではないでしょうか。
長きにわたって栄えた平安京遷都は桓武天皇の時代です。
その平安京に似せて、現代の東京は設計されているとも言われます。
今の東京があるのも、室生龍穴神社の龍神様のお陰・・・とも言えるのではないでしょうか。
歴史に”もしも”は禁句です。
しかしながら、そんなタブーを顧みずに歴史を推察してみるのも面白いですよね。
室生龍穴神社の周辺地図。
この辺りはホタルの生息地でもあるんですね。龍穴神社の上にホタルの絵が描かれています。
室生村は関西有数のホタル鑑賞スポットにもなっています。
室生川の清冽な渓流を見ていると、なるほどなと頷けるものがあります。
龍神信仰を生むほどの場所ですからね、水が綺麗なのは折り紙付きです。
室生寺の歴史を辿っていくと、龍神信仰の室生龍穴神社に行き着いたわけですが、ここでちょっと疑問が湧きますよね。
神社とお寺ですから、そもそもの性格がお互いに違うのではないか?
勅命で建立された当初の室生寺は、神社に付随する神宮寺としての性格が強かったようです。
神社の中にお寺がある。
ちょうどそんな感じですね。
独特の神仏習合の文化を持つ日本では、神宮寺の存在は珍しいことではありません。
弘法大師空海の来山以後、真言宗に改宗したと伝えられています。
室生寺の歴史を勉強して、初夏のしゃくなげや秋の紅葉を楽しんでみられることをおすすめ致します。