枚岡神社創祀の地を訪れました。
枚岡神社の歴史を語る上では外せない場所です。枚岡山展望台からさらに上手にあり、本格的な登山となりました。神津嶽(かみつだけ)は元宮、奥之院とも呼ばれる最深部に当たります。その昔、神津嶽に一大磐境が築かれ、天児屋根命・比売御神を祀り“国の平定”を祈ったようです。
枚岡神社神津嶽の石標。
枚岡神社独特の注連縄が自然木に張られていました。
祝詞の神・アメノコヤネノミコトを祀る枚岡神社
枚岡神社の主祭神は天児屋根命です。
天岩戸神話では、岩の中にお隠れになったアマテラスを引き出すために重要な役割を担った神様です。アメノコヤネは祭事を司る神で、この局面でも祝詞を奏上したと伝わります。
神津嶽本宮の鳥居。
一昔前までは柵が設けられ、禁足地になっていたと言います。
昭和56年に石碑が建てられ、平成5年には石の社殿が築かれました。小ぢんまりとした神津嶽本宮ですが、玉垣で結界が張られていますね。
枚岡山展望台からの絶景。
神津嶽本宮に辿り着く直前、大阪市街地を望むビューポイントに出ます。あべのハルカスや梅田のビル群、さらには明石海峡大橋や淡路島までを一望する絶景です!
神津嶽本宮はここよりさらに上手でした。
枚岡山展望台の背後。
行く手に神津嶽本宮へと続く階段が見えていますね。
ここを登って行きます。
枚岡神社の“なで鹿”の所に掛かっていた注連縄のようです。
時間を引き戻して、こちらは登山口付近・・・
まずは延々と続く階段を登りました。神津嶽コースの階段は210段もあったんですね。
最初はこのような階段が続き、途中から階段の無い山道に入ります。
段差のある箇所も多く、膝に負担が掛かります。序盤で結構体力を消耗する登山でした。
ここまで登って来る人は珍しいのかもしれませんね。
枚岡梅林の休憩所も展望が開けていますが、さらに輪をかけて見事な景色が広がる枚岡山展望台。その展望台を後にして、いよいよ “枚岡神社始まりの地” へと向かいます。
何か意味深な注連縄。
ここからさらに神域度が深まっていきます。
私以外は誰も見かけませんでした。
枚岡山展望台で一服する人は何人かいらっしゃいましたが、さらに元宮を目指す人は皆無でした。私にしてみれば、ここからがいよいよ本番!という感じですが(笑)
木の根っこが隆起し、椎茸も顔をのぞかせます。
そのままの自然が体感できる場所で、暗くなれば猪も徘徊していることでしょう。
展望台から徒歩7~8分ぐらいでしょうか。
目的地にたどり着きました。石の社殿のお出迎えです。
神明鳥居から少し角度を付けて社殿が建っています。
石鳥居には注連縄と紙垂(しで)が下ります。
枚岡神社の鎮座地は出雲井町(いずもいちょう)です。枚岡神社若宮社の奥に「出雲井」という井戸があり、清らかな湧水で知られます。聖地周辺には“出雲”を付す地名が多く見られますね。京都上賀茂神社の近くでも「出雲路神楽町」という地名を見た覚えがあります。
平成5年7月に奉献されたようです。
社殿は壇上に築かれ、階(きざはし)が渡されていました。
屋根の妻には御神紋の「下がり藤」を刻みます。
千木は外削ぎですね。男神のアメノコヤネを表しているのかもしれません。
枚岡神社創祀之地。
中臣氏、および藤原氏の祖神(おやがみ)に当たるアメノコヤネを仰ぎます。
神武東征の逸話が案内されていました。
歴史ある枚岡神社を実感しますね。
神津嶽の周りには、古代祭祀跡と考えられる場所が多数存在するようです。
三輪山の山中にも、古代祭祀が行われていたという山ノ神遺跡があります。歴史を積み重ねた祭祀跡は、そこに居るだけで感じるものがあるのではないでしょうか。
これは敷石?
伊勢神宮でもお白石は神聖なものです。伊勢の遷宮行事が執り行われる際、お白石を奉献する慣わしです。枚岡神社のこの白石も、おそらく神様とのつながりで奉献されたものでしょう。
玉垣の周りを歩いていると、突然蛇に出くわしました!
私の動きに驚いたのか、にょろにょろっと姿をくらまします。山奥ですからヘビも当然ですが、ちょっとした歓迎と捉えておきたいですね。
枚岡神社の扁額。
お寺の参詣でも、奥の院まで足を延ばすことは稀です。
この日は時間に余裕があり、チャレンジしてみることにしました。元宮まで登ってみて正解でした。枚岡神社創祀の地に触れ、おまけに絶景までプレゼントして頂きました。