いよいよ7月15日に迫ったUSJハリーポッターの開幕。
夏休みを前に、今か今かと心待ちにしているハリーポッターファンの方も多いものと思われます。ハリーポッター開業にこぎ着けるまでの関係者各位のご苦労が偲ばれます。2014年度7月にオープンを迎えるハリーポッターの新エリアですが、ちょうど3年前の2011年度はUSJの10周年を記念するアニバーサリーイヤーだったことを思い出します。
目の錯覚を利用したトリックアートの一環として、バック・トゥ・ザ・フューチャー・ギフト前に設けられた人気の写真撮影ポイントです。
一時は経営危機に陥ったユニバーサル・スタジオ・ジャパンでしたが、2009年度を谷底にして見事にV字回復を成し遂げています。2014年度のハリーポッター開業を目指して、2011年度以降に打ち続けた様々な施策が功を奏した形です。
驚きと感動のフラッシュ・バンド・ビート
ハリーポッター開業を目標に、潤沢な資金を注ぎ込むことが出来なかった2011年度のUSJ。
設備投資に予算を計上できない逆境の中、編み出されたのが「人」という資本を生かしたフラッシュ・バンド・ビートでした。
パークの中で突然繰り広げられるアトモスフィア・エンターテインメントの一種で、仕事中と見せかけたクルー(USJの従業員)が、突然楽器を演奏し始めます。それに釣られて別のクルーも楽器を鳴らし始め、さらにそれを見て驚いているゲスト(実は、仕込まれたプロのパフォーマー)が次々に参加して盛り上がっていくという筋書です。
ダンスや音楽で盛り上がるフラッシュ・バンド・ビート。
隣で見物しているゲストも、ひょっとすると仕込まれたパフォーマーなのかな?と疑ってみたりしながら大いにヒートアップしていきます。
アトラクションからアトラクション、はたまたショーからアトラクションへの移動中に人だかりが出来ていました。
話題のフラッシュ・モブにも似た驚きが、ゲストの心を鷲掴みにしていきます。
10周年記念のUSJ地球儀。
翌年に控えたユニバーサル・ワンダーランド開業や、2014年度のハリーポッター開業のためにはお金を使うことができません。
そこで考え出されたのが、お金をかけずにアイディア一つで顧客満足度を高めていく様々な施策でした。
以下に、10周年のユニバーサル・スタジオ・ジャパンが挑んだ様々な施策を箇条書きにしておきます。
- USJ10周年大使にタレントのベッキーが就任
- フラッシュ・バンド・ビート(アトモスフィア・エンターテインメント)
- トリックアート(スパイダーマンのトリックアート等)
- ワンピース・プレミアショーのCM放映
- 関西の子供たちをUSJに無料招待(スマイル・キッズフリー・パスのCM放映)
- ハロウィーン・ホラー・ナイト(ゾンビが徘徊する空間創出)
- モンスターハンターのイベント化
- 世界一の光のツリー(クリスマスツリー世界十選に選出)
入場ゲート近くに設けられた10周年を祝う巨大バースデーケーキ。
USJの歴史を振り返りながら、全てはハリーポッター開業への道のりに通じていたことを改めて感じさせられます。近い将来には、大阪以外の場所でユニバーサル・スタジオ・ジャパンを楽しむことができるようになるでしょう。これからもUSJは、エンターテインメントの神髄であり続けます。