大神神社の結婚披露宴に蓮芋のコンポートをお出し致しました。
蓮芋(はすいも)とはずいき専用種で、別名を「青ずいき」と言います。里芋の葉柄部分を食するわけですが、切り口に蓮根のような穴があるのが特徴です。
蓮芋と葡萄のコンポート。
蓮芋の緑と葡萄の緑を合わせます。白ワインの香りが鼻に抜ける、ちょっぴり大人のデザートに仕上がりました。
縁起の良さを感じさせる蓮芋
お正月料理に蓮根は付き物ですが、その理由をご存知の方も多いでしょう。
穴のある蓮根は「先を見通せる」ということから、縁起の良い食材とされます。そのことを考え合わせれば、切り口に穴の見られる蓮芋も、同じく縁起物と言えるのではないでしょうか。ずいきはアクの強い野菜ですが、蓮芋に限ってはさほどのアクを感じさせません。
大神神社の結婚披露宴会場「料理旅館大正楼」。
真夏の暑い時期を過ぎ、いよいよ秋を迎えようとしています。秋は結婚式シーズンでもあります。旅行やお宮参りとも重なり、毎年最も忙しくなる季節へと入っていきます。
蓮芋の断面。
蓮芋の中にも、それぞれに小さな蓮芋が入っています(笑)
蓮芋が蓮芋を抱え込む姿は、どこか仲睦まじい新郎新婦を思わせます。
蓮(はす)という言葉は、蜂の巣に由来しています。無数に空いた穴が、蜂の巣のそれを連想させます。蜂の巣(ハチノス)→蓮(ハス)という、言葉における転訛の歴史が見て取れますね。
幸運にも「蜂」に関する英語には、honeymoon,my honey などの甘い言葉が並びます。
ずいきには蓮芋の他にも、赤ずいき、白ずいき(白だつ)などがありますが、やはり緑色の葡萄には青ずいきである蓮芋がよく似合います。
中庭に面した側の障子を開け放ち、自然光を採り入れて会場を設営します。
高砂席のお二人は本日の主役です。
緊張感の高まる結婚式を終え、参列者の方々と共に二人の門出を祝います。
やっぱり蓮芋は縁起食材です。
お先真っ暗、一寸先は闇、と言うよりもやはり見通しが良いのはいいことですね。