革堂行願寺の由来!西国観音霊場

京都御所から南へ向かう寺町通り。

歴史を感じさせる立派なお寺がありました。お寺の名前は、革堂(こうどう)と称される行願寺。

革堂行願寺の香炉台

行願寺本堂前の香炉台。

革堂と書かれていますね。

なぜ革堂なのか? その理由は、開基の行円上人の心温まるお話に由来します。

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徳の高い皮聖!行願寺本尊は千手観世音菩薩

行願寺は西国観音霊場の第19番札所です。

西国三十三ヶ所の中で唯一の尼寺で、山号を「霊麀山(れいゆうざん)」と称します。

行願寺本堂・京都市有形文化財

京都市有形文化財に指定されている行願寺本堂。

1815年(文化12)に建造された重厚な建物です。

出家前の行円は猟師であったと伝えられます。

猟で射止めた牝鹿の腹の中に、生きている子鹿を見つけた行円。ショックを受けた行円は改心し、仏門に入ったと言い伝えられます。行円上人は自分が射止めた牝鹿の皮に経文を書き、それを寒暑に関係なく身に付けていたそうです。皮聖と呼ばれる由縁ですね。

行円上人布教之真影

本堂の左脇に行円上人布教之真影がありました。

鹿皮の着物を着用しているのでしょうか。

行願寺の位置する寺町通りは、秀吉がこの近辺にお寺を集めたという史実に基づきますが、なるほど興味深いお寺が多数見られます。

寿老人神堂・行願寺

境内にある寿老人神堂。

珍しい紅葉の紋が見えます。

寿老人神堂に収められている寿老人像は、豊臣秀吉が行願寺に祀ったものと伝わります。京都七福神巡りの一つに数えられ、お堂の横にも七福神が並び立ちます。

行願寺の七福神

寿老人神堂横の七福神。

福々しい表情に心が和みます。

七福神・行願寺

七福神巡りで行願寺にお参りする方も多くいらっしゃいますが、ここのお寺のご本尊は本堂に安置されている千手観世音菩薩像です。西国第十九番札所にもなっている行願寺。観音様巡りの参詣客で境内は賑わいます。

紅葉の紋・行願寺

本堂にも紅葉の紋をあしらった提灯が掛けられていました。

拝観受付の係の方にお伺いしましたが、紅葉の紋というのは大変珍しいんだそうです。確かに家紋辞典などにも見られない珍しい寺紋です。

革堂行願寺

宗派は天台宗に属します。

行願寺へのアクセスは、京阪「丸太町」駅から徒歩7分となっています。京都三名水で知られる梨木神社や京都御所からも徒歩圏内ですので、御所観光ついでに立ち寄ってみるのもおすすめです。

加茂大明神五輪塔・行願寺

境内の北西隅にある加茂大明神五輪塔

くり抜かれた水輪の穴の中に、加茂大明神が祀られています。

行願寺の山門

通りに面した行願寺の山門。

車や人の行き交う場所に佇む行願寺。創建以来何度も火災に遭いながら、その都度人々の篤信によって再建が繰り返され、今の場所に落ち着いているそうです。

行願寺の屋根瓦

屋根瓦にも「革」の文字でしょうか?

皮聖と呼ばれた開山の行円上人。庶民に近い場所で教えを説き、市聖と称された六波羅蜜寺の空也上人を思い出します。お互いに聖人にふさわしい人格を備えた人物だったのではないでしょうか。

革堂観音

本堂に掛けられた「革堂観音」の提灯。

行願寺と言うよりも、革堂。古くから呼び習わされた革堂(こうどう)という名前。

行願寺の鐘楼

行願寺の鐘楼。

1804年(文化元年)に造営された鐘楼は本堂と同じく、京都市の有形文化財に指定されています。案内にありましたが、どうやら勝手に鐘は撞けないようです。

革堂行願寺

「こうどう」と書かれていますね。

確かにこの方が分かりやすいです。「革堂」で、「こうどう」とは読めないですからね。

西国三十三ヵ所巡りの第十九番札所。十六番の清水寺、十七番の六波羅蜜寺、十八番の六角堂に続く観音霊場として知られます。

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