結婚の問題をクリアしないと・・・
と、よく言います。
結婚の問題をクリアしないと先に進めない。
ライフサイクルの先へ進めない。確かに一理あるのかもしれません。もちろん、敢えて結婚しないことも立派な選択肢の一つです。結婚だけが全てではありません。色々な考え方がある中で、一度は突き当たる問題なのでしょう。
結婚の問題を解決しないと。
否応なしに迫りくるジレンマに陥っている人も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
人生の可能性の幅!狭まりながら広くなる
古代インドには人生を4つの時期に分ける考え方がありました。
一・学生期(がくしょうき)
若いうちに様々なことを学び、来るべき人生でのパフォーマンスに備える時期です。
助走期間のようなものです。
二・家住期(かじゅうき)
社会に出て一家を構える時期です。
家庭を持つ時期に当たります。
結婚が大きなテーマになる時ですね。
三・林住期(りんじゅうき)
生活のための仕事からリタイアして、人生とは何かを思考する時期です。
忙しさから解放されて、夫婦の時間も増える期間となります。
四・遊行期(ゆぎょうき)
家を離れて旅に生きる放浪の季節です。
昨今では定年退職を迎えた老夫婦が、日本を離れて海外でロングステイを楽しむケースも増えてきました。さしずめ、林住期を飛び越して、いきなり遊行期に入っていることになるのでしょうか。
日本に古来から伝わる巡礼の旅なども、この遊行期に行われることが多いようです。
長い人生には節目があります。
節目をしっかりと作っていくことは、次なるステップへの第一段階となります。家庭を持つ”家住期”になかなか入れないでいると、人それぞれ度合いは違っても焦りを感じるものです。
結婚の問題をクリアしないと、次の段階に踏み出せない・・・
確かに現実的な問題ではあります。
しかし、一旦結婚の問題をクリアすると、未来の可能性の幅が狭まります。
どういうことかというと、結婚相手が決まれば、”その人との間で築き上げていく結婚生活”は限られてきます。
望んでいた結婚生活を少し我慢しなければならなくなることもあります。
限られた可能性の中で、その限られた可能性を押し広げていく努力がお互いに必要になります。お互いに一度は狭まった可能性の幅を、協力して押し広げていくのです。
選択とは可能性の芽を摘むことなのです。
人生は選択の連続です。
常に可能性の芽を摘みながら、それでも前へ前へと進んでいくのです。
あ~でもない、こ~でもないと選択を拒んでいると、確かに可能性は残ったままではありますが、一向に進歩が見られなくなってしまいます。
限りなく広大無辺な可能性を残したまま、死ぬことになってしまいます。
思っているほど長くはないのです、人生は。
結婚の問題をクリアすると、広大無辺に広がっていた未来の可能性が限定されてきます。
ひとつの賭けかもしれません。
しかしながら、心配することは何もありません。
残された条件付きの可能性を、二人が協力し合い、さらに大きく押し広げていくことができるのです。
そういう楽しみが残されています。
それが結婚です。
結婚して初めて一つの人格になる。
ある意味、真理をついている言葉だと思います。
社会の最小単位は家族です。
まずはその足元から、しっかりと固めていって間違いはないものと思われます。結婚の問題をクリアし、一旦は狭められた可能性を、以前より大きく広げていこうではありませんか。